奇抜なタイトルにしてしまいまいたが、Avata2を飛ばす時は新型モビルスーツという気分になる。私が初めて飛ばしたドローンは Parrot Mambo という機体でした。オプションでカメラも付いたFPVなるものを買ったのです。
その頃は、まだ下の子供達もいて、一番下の子も飛ばしながら、ワンキーアクションでフリップをしたりして、あんなに小さなプロペラで、あんなにキビキビ方向転換が出来るのかと驚いたのを覚えています。機首にLEDが付いてて、グリーンに光るし、何気にフォルムもカッコいい。
背中にLEGOブロックを乗せられるギミックも遊び心をくすぐり、当時としては最新の下方ビジュアルセンサーが付いていて、しっかりホバリングしてくれるため、誰でも簡単に飛ばせる機体でした。
DJIとの出会い
そして、もう少し本格的なドローンを買いたいなと思って、色々調べていた時に知ったのが今やドローン界を牛耳るDJIでした。そして、ドローンに関する法律が整備されようとしていた時期でもあり、当時は200g未満はトイドローンという扱いで、色々面倒じゃなさそうという事で、MAVIC Miniを購入。そして何と、購入後1週間でMini2へとモデルチェンジをされたのでした。いや〜やられたとは思ったものの、買った以上は飛ばしまくろうという事で、2機目の愛機となりました。
この機体は、Cモード、Nモード、Sモードという3つのモードがあって、Cモードにすると、挙動がゆっくりになり、Sモードにするとキビキビ動いて、速度も出せるので、室内で練習するときはCモード、屋外で飛ばす時はNモード、一気に遠くに行く時とかはSモードと使い分けられるのが良いところでした。
カメラのモニターは、自分のスマホを繋ぐのですが、録画したものを見ると、かなり綺麗で、空撮とはこう言うことかと。Parrot Mamboはカメラの性能も悪く、カメラにプロペラが映り込んでしまうので、空撮はできなかったのですが、Mavic Miniはしっかり空撮をこなすため、山やキャンプのお供になってくれました。
ただ、センサーは下方センサーのみだったので、横移動しながら撮影してぶつけて墜落ということもあったし、何より前に進みながら旋回すると、機首だけが横を向いて、かなり横滑りする機体だったので、細かく制御することは難しい機体でした。さしずめ旧ザクと言ったところかな。
Proという名がついた機体
その後ドローン関係の法律が整備され、トイドローンの定義が100未満になってしまったこともあり、それならばと乗り換えた機体が DJI Mini 3 Pro ついにProというサフィックスが付いている。
この機体は、前方と後方の障害物センサーが付いていて、安全性が高い上に、これまで飛ばしてきたMavic Miniを一回り大きくしただけのサイズ感。4K撮影もできるし、人物を認識させて、自動で後ろを追いかけてくるとか、そういう物体認知も出来る高性能な機体です。言ってみればガンダムですね。飛行モードはこれまで同様にCモード、Nモード、Sモードがあるので操縦に自信がない人はCモードで練習とかそういうことが出来ます。
しかも、バッテリーの容量も大きく、DJI Miniの時は12〜3分しかバッテリーが持たなかったのですが、容量の大きなバッテリーを使うと、ゆうに30分以上飛んでくれるのです。
障害物センサーは前方、後方、下方それぞれ2つのカメラで障害物を認識しながらメインカメラで映像を撮影するわけですから、かなりの処理能力が必要で、そのためかなりの熱を発します。Miniの時は、飛ばさなくてもカメラとして使えたのですが、Mini 3は飛ばして空冷しないとオーバーヒートします。
その後
Mini 3 は Mini 4 へと進化し、全方位障害物検知やあらかじめ指定した航路を自動で飛ぶオートパイロット機能などを持つようになりました。この機体が出た時は買うかどうか迷ったけど、Mini 3 Pro が全く現役で問題なく使えるので、MkⅡに乗り換えるのはやめました。また、障害物検知機能や人を追いかけるオートパイロット機能などを省いた廉価版のMini 3 も発売され、学校でドローンを買いたいという部活があったので、そこにMini 3 を勧めたところ購入し使い始めたようでした。これはさしずめジムってとこですね。
ガンダムにしろジムにしろ、旧ザクで欠点だった横に流れるというのは改善していて、かなり飛ばし易い機体になっているので、これからドローンを始める人にはお勧めの機体ですね。
新型モビルスーツ
そして、私が新型モビルスーツと言っているのが、Avata 2 です。こいつは明らかにジオンの機体を連想させます。空撮ドローンと違い、ゴーグルをつけて飛ばすため、基本目視外飛行で飛ばす機体になります。そして、操縦者のスキルに応じてもう別のドローンじゃないかというぐらいに豹変します。
VRにも興味がある私は、FPV飛行がどんなものなのか知りたくて、迷わず購入。
初電源投入
Meta Quest 2 はメガネをしたまま装着できるのですが、Avata 2 のゴーグルは、度数調整レンズが付いているため、メガネを外して装着とのこと。もう老眼も進んでましたが、難なくゴーグルの映像を見ることが出来ました。感想としては、VRゴーグルより視野がだいぶ狭く、自分の1~2m前に大きなスクリーンがある感じで、もう少し没入感高いと良いのになと思った記憶があります。ただし、この思いは後から覆されることになります。
実際に飛ばしてみると、室内で飛ばしているというのもありますが、全くブレがなく、操舵に対する反応もかなり良く、ものすごいポテンシャルを感じました。
また、これまでのドローンと違って、モーションコントローラーを使い片手で操縦するすることが出来るのです。まるで操縦桿ですよ。そしてスロットルはトリガーになっていて、トリガーで速度を調整するという。自分の視界に入るのは機体の映像のみで、右手に持った操縦桿で操縦するところなんか、もうモビルスーツじゃないですか。
DJIはこの機体に幾重にも安全装置を仕込んでいますが、これまでの空撮機と違って、障害物センサーは下方、後方のみ。つまり、前方の障害物は自分の腕で回避しなければいけないのです。カメラの画角は155°とかなり広角なため、広く見渡せるのは助かりますね。
最初は強制的にビギナーモードに設定されており、フルスロットルでも1m/s程度の速度しか出ません。これで操縦の仕方を安全に覚えることが出来ました。
学校で飛行練習
家ではビギナーモードでしたが、ノーマルモードを試そうと家より広い学校へ行って飛ばした時の映像がこちら。
ノーマルモードでもかなりの速度が出て、怖かった。そして、一度壁にぶつかり、墜落してその衝撃でバッテリーが抜けるという事も起こりました。
大変な飛行申請
屋外で飛ばすためには、国土交通省への飛行申請が必要です。Mini 3 Pro ならカテゴリー1飛行をすれば申請不要なので気軽に飛ばせるのですが、Avata 2 はカテゴリー1飛行をすると逆に危険な機体なのです。空撮機は基本上空を飛ばすので、何かにぶつかる危険は少ないのですが、Avata 2 は1軸ジンバルで、障害物センサーも無いので目視飛行で低空を飛ばしたりすると何かにぶつかる危険があり、なおかつカメラからの映像はゴーグルに投影されるので、チラ見する事もできません。ゴーグルにスマホを繋いで、DJI Flyを介して見ることはできますが、遅延やラグがひどいのと、手元に画面を固定できないので、辛いところ。
やはり、Avata 2 はゴーグルを付けて飛ばす機体なのです。つまり、飛行申請は不可欠なのです。
飛行申請はやってみると色々ダメ出しをもらえるので、申請して初めて分かることも多くありました。
でも、法律ができた時の「目視外飛行」は、「双眼鏡を持った補助者」という表現から推測するに、モニターを見ながら飛ばして操縦者からかなり離れるとか、物影に入って飛ぶとか、そういう事を想定されているように思います。
それでも、申請なしで飛ばすことは私には出来ません。ダメ出しもらった所を修正して再申請をすること2回。やっと申請が通りました。と同時に、何に気をつけて飛ばせば良いのかもわかりました。
FPV送信機3
モーションコントローラーでは前に進むことは出来ても、横移動が絶望的に苦手です。そこで、FPV送信機3も購入してみました。
結果として、これまでの空撮機と同様の挙動ができるようになりました。ただし、FPV送信機3を使うと、ビギナーモードはありません。基本ノーマルモードかスポーツモードになります。
更に、設定を変更するとマニュアルモードにもなります。私はこれまでFPVドローンを操縦した経験がないのでマニュアルモードの事はよくわかりませんでした。今は少しわかってきました。マニュアルモードとは、全ての安全装置をOFFにして2本のスティックだけで飛ばす究極のモードなのです。
つまり Avata 2 は超初心者からシャアアズナブルまで使うことのできる機体なのです。
マニュアルモードで飛ばしてみて、ノーマルモードやスポーツモードの安全性が良く理解できました。
各モードのイメージ
コントローラー | 選択できるモード | イメージ |
---|---|---|
モーションコントローラー | ビギナーモード | 初めてドローンに触れる人でも飛ばせる最も安全なモード。基本その場にホバリングするのと、最高速度も1m/s程度しか出ないため、室内での飛行に最適。 |
モーションコントローラー | ノーマルモード | 普段飛ばす場合のモードで、最高速度も8m/s(29km/h)と結構スリリングな速度が出る。スロットルを絞ればかなり低速で飛ばすこともできるので、最も多用するモード。下方センサーが有効なので、地面に突っ込むような角度で飛ばしても地面には衝突しない。また、モーションコントローラーはかなり精密に進路を調整できるため、狭いところや森の中など、障害物が多いところでも飛ばすことが出来る。ただし、カメラが必ず進行方向を向くため(ヘッドトラッキングで見たい方向を見ることもできるが)垂直上昇時は真上を向き、垂直下降時は真下を向く。 |
モーションコントローラー | スポーツモード | ノーマルモード同様に、下方センサーが有効なのと、スロットルを0にすればその場でホバリングするが、フルスロットルにすると、16m/s(57km/h)までの速度が出る。この速度で何かにぶつかったら、結構な衝撃だし機体も大破する可能性大。 |
FPV送信機3 | ノーマルモード | モーションコントローラーのノーマルモードと同様の安全装置が働くが、横への並行移動がしやすい。また、垂直上昇時も自分でカメラの角度を変えない限り、前を向いたまま上昇や下降が出来る。従って、空撮機と似たような映像を撮ることができる。 |
FPV送信機3 | スポーツモード | 最高速は上がるが、スティックが2つともセンターにあれば、ホバリングする。 なおかつ、右に並行移動するためにスティックを目一杯倒してもドローンの姿勢はある一定の角度以上にはならず、なおかつ高度は維持するようにスロットルは自動調整される。 前進するためにスティックを目一杯倒しても、前に高速に進み、高度は維持される。 バッテリーは100%の時は電圧が高く、放電すれば電圧は下がる。電圧が下がっても高度を維持するように内部的に電流を調節してくれているのがここまでのモード。 こんな強力な安全装置が働いているからドローンを比較的簡単に飛ばすことが出来るのでした。 |
FPV送信機3 | マニュアルモード(姿勢制御あり) | マニュアルモードは、上記の安全装置をOFFにするモードで、バッテリーの電圧が下がってきたら、高度を維持するために、それ相応にスロットルを上げなければいけない。 また、下方センサーもOFFになるため、地面スレスレの飛行を安全に行う事は出来ない。 機体の傾きを変えるためにスティックを倒すと、その方向に機体は傾き、スティックをセンターに戻しても機体は傾いたままとなるため、水平に戻す作業もスティックを逆方向に入れて自分で行わなければいけない。 これは、前進するために機体を前に傾けるとドローンはその傾きと、スロットルの量に応じて前に進みながら高度も変わるため、本当に微細な操作が要求される。 しかし、姿勢制御ありにしておく事で、ある一定以上の角度に機体は傾かないので、マニュアルモードの練習はここから始めるのがいい。 |
FPV送信機3 | マニュアルモード(姿勢制御なし) | 姿勢制御も含めた全ての安全装置をOFFにするため、上下逆さの姿勢にもなれます。もちろん、そのままでは墜落するので、一瞬だけですが。 これにより、モーションコントローラーのイージーアクロで行えるフリップやロールなどの挙動も手動で行うことができます。 しかし、初心者が手を出すべきではないモードあることも確かです。 最高速度は27m/s(97km/h)にも達し、最も危険を伴います。 スティック以外にも、ジンバルの角度も重要で、低速飛行ならジンバルの角度を浅く(5~10°)速度を出す場合は、角度を深く取るようです。 |
マニュアルモードの映像
右の動画は、私のお気に入りの動画で、MORATOさんのように飛ばせるようになりたいなと思っているのです。
動画の作り方もとても参考になります。
私のパイロットスキル
シュミレーターで飛ばしまくってはいるのですが、レースをしても全く基準タイムに届かず。実機とシュミレーターの違いも経験したくて、飛ばしに行ってきました。結果2度の墜落。
動画を後から見直して気がついたのですが、途中センサーエラーという文字が表示されている所で、もう少し待てば回復したのかもしれない。一時的にGPSを見失って出たエラーのようで、少し飛んだらGPSが赤から黄色になっていた。
もし、本当に回復するようだったら、やはり恐るべき機体のような気がしました。2年間のケアリフレッシュに入っているので、どこかで1回は機体交換しようという思いもあるので(Mini 3 は1回交換してもらった)多少の傷は気にせず飛ばし続けます。
長い記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。